コース別OB・OGインタビュー


放送・音楽・映像コース

菊地 友(ソニー・ミュージックエンタテインメント 音楽映像製作職)
2006年3月 社会学部卒

「単純に驚いて、こんなの作れたらかっこいいじゃんって思って・・・」
稲増ゼミの映像を初めて見たときの衝撃を、菊地友さんはそう話しました。
「映像を作りたい」、その想いをより一層強くさせたという、放送・音楽・映像コースについてお聞きしました。


・放送コースに入ろうと思ったきっかけは?

 僕は、稲増先生のゼミで映像を学んでいて、映像に関わる仕事を本当にやりたいなって思っていました。放送コースはテレビ・音楽・CMとか、いろいろ分かれているから、まだ何がやりたいとか決まってなかった自分には、幅広く学べていいかなと思って入りました。


・放送コースに入ってみて、入る前に想像していたコースとの印象の違いはありましたか?

 あんまり入ってみてのギャップはなかったかな。入る前は、やっぱりおもしろいやつが多いだろうな、自分やっていけるのかなと思っていたけど、入ってみたら思っていた通りおもしろくて個性的なやつばっかりで。だけど、みんなも俺のことを認めてくれたし、お互いを尊重し合える人間が集まってたから、やりやすく過ごせました。


・放送コースはどんな雰囲気でしたか?

 雰囲気はね、とりあえず笑わせろって感じでした(笑)。笑いが全てまではいかないけど、どこかひとひねり欲しいな、みたいな感じで。フリートークのときでもそんな感じだったから、みんな笑いには厳しかったですね。それは本当に雰囲気が出てると思う。でも笑いには厳しいけど、暖かくね。すべったらすべったで暖かく迎え入れる(笑)。




・放送コースに入って菊地さん自身でなにか変わったことはありましたか?

 「スイッチ」かな。ていうのは、切り替えが大事だと感じました。テンションの切り替えも、話の切り替えも、メリハリが大事なんだなって。面接でもそうだけど、人と会話をするとき、例えば、ずっとテンションが高かったらうざいとか思われるかもしれない。逆に、ずっとテンションが低かったら、「なんだこの人」って思われるかもしれない。なんかすごくつまらない人だなってね。会話はちゃんと相手を、相手の反応を見て、話し方とか、そういうものを講座を通して考えられるようになったと思います。


・それは映像を作る上でも活かされていますか?

 活かされてますね。映像っていうのは、結局作ったものを誰かに見せないといけないから、見る人の顔を考えないといけない。例えば15秒のCMだったら、頭5秒は静かめでいって、ここでひきつけといて、3秒でドンって楽しく、インパクトのあることをやって、最後10秒くらいでスーって引いていく。だから、相手の顔を考えるというか、それは顔色をうかがうんじゃなくて、相手の気持ちを本当に考えたら、会話や行動でそういうものに表れてくると思います。


・放送コースの授業を通して映像への見方は変わりましたか?

 そうですね。今までは映像の受け手だったのが、今度は自分たちが作り手になりたいって思うから。テレビとかニュースとかバラエティとか、どういう意図で作ってるんだっていう風にメディアを見るようになりました。細かいところで言うと、ここでカット切り替わるんだ、それはなんでなのかなとか。今まで垂れ流しに見ていたテレビを、すごい細かく見るようになって。ニュース番組で言えば、合宿で実際に作ってみて、ナレーションはここに入れてとか、実際にやってみて経験もあったし。あとは現場の人の裏話で言えば、この番組のこの部分はこういう意図で作ってるんだよ、とか聞けるから。それを踏まえて見ると、「ああ、そうなんだ」って納得させられて、他の番組はどうだろうって自分で考えたりしました。


・講座を振り返ってみて、放送コースで辛かったことはありましたか?

 テレビ局のプロデューサーとか、いかにも「業界人」って方々が講師として来たときに、初めのころは萎縮しちゃう自分がいました。業界人がドンっていて、まだまだ未熟な自分たちがいて。自信が無くて、その人たちに自分は「ここをこうしたいんです」って意見することがなかなかできませんでした。 だけど、授業を重ねる度に映像に対する理解度も増すし、やりたいって気持ちが強くなって、そうすると伝えたいって気持ちも強くなりました。フジテレビの中江功さんが、放送コースの講師として来てくださったときに、そのころ俺は映画を作りたくて、その企画みたいなものを話したんです。そうしたら、ここはもっとこうゆうふうな展開をしたほうがいいんじゃないか、といった具体的なところまで突っ込んでくださって、とてもうれしかった。ちゃんと話せば、伝えれば、こういう反応が返ってきたりするんだなって。まずは伝えることが大事だと感じましたね。


・放送コースのどこに一番魅力を感じましたか?

 泥くさい感じかな。すごい好きなんだけど。例えば、アナコースは華がある。そして、新聞とか出版は知的な感じ。俺らってなんか「泥くさいよな」ってすごい感じてました。だけど、泥くさいって別に悪いことじゃないなって思うんですよ。飾ることがないからオープンに話ができるし、それに実際目指してる世界も泥くさい場所だから。それに泥くさい感じなんだけど、そのことをわかった上で「やってやろう」と思って入ってきてる人たちだから、根性も他のコースと比べても負けないと思いますね。


・菊地さんにとって放送コースとはどんな場所でしたか?

 一言で言うと、「青春」だね。なぜかっていうと、実際に華やかさもないし、スマートさもない。だけど涙と笑いはあるんですよ。そして、涙と笑いのなかには、ぶつかり合いもあったりして。高校の部活のときみたいに、ぶつかり合えるのが放送コースかな。青春時代って、まぁ今でも青春のつもりだけどさ(笑)、高校時代とか、部活とかでそういう感じだと思うから。それを思い出しましたね。もう一度、放送コースで青春を味わえたかなって思います。


・それでは、これからのことについて聞かせてください。菊地さんはこれからソニー・ミュージックエンタテインメントで、映像制作の仕事をしていきますが、今後どんな映像を作りたいと考えていますか?

 今作りたいのは、デカイこと言っちゃうと、日本のミュージッククリップの価値観を変えたいですね。よく「プロモーションビデオ」って言いますよね。でもそれは、うちの会社だと、嫌う人が多かったりする。俺も嫌なんだけど。それはなぜかというと、映像自体が音楽の付属品っていう意味合いが「プロモーションビデオ」には強いから。だから「ミュージッククリップ」って呼ぶようにしています。それは、今アメリカが最先端なんですけど、アメリカはミュージッククリップを音楽とは切り離して考えている。芸術としてすごく価値が高く評価されていて。だから、そこにすごい制作費をかけていて、映画監督引っ張ってきたりだとか、有名なキャストを使ったりしています。今、日本もちょっとずつ変わってきているんだけど、アメリカに比べれば全然まだまだだと思うんですよね。だから、ミュージッククリップの価値観を日本で変えたいなって。そのためにどうしたらいいかっていうのは今から考えています。今はまだ自分が出来ることは限られていると思うけど、でも映像っていう仕事に携わることに意味があると思うから、どんな仕事でも頑張って、大きい仕事ができるようになりたいです。


・最後に放送コース志望の人に一言メッセージをお願いします。

 放送コースって言う場所は、自分の個性が磨かれる。個性が光るし、磨かれる。僕自身もそうだったから。だから興味がある人はどんどん来て、自分の個性を磨いてください。ここに来ればあなたの個性が磨かれます。そして、とてつもなく輝きます。


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