コース別OB・OGインタビュー


出版・エディターコース

菊谷 まゆ(小学館 編集)
2006年3月 社会学部卒

ファッション誌は月に15冊以上買うほど、ファッション誌への思い入れが強い菊谷まゆさん。
念願だった小学館に入社した今、「出版コースがなかったら、今の自分はいなかった」と、語ります。
出版コースのなにが、菊谷さんにそう思わせたのか。出版・エディターコース、そして、自主マスの魅力に迫ります。


・自主マスに入ろうと思ったのは?

 自分一人だとだらけてしまうのが、目に見えてわかっていたから、なにか強制的にやらなきゃいけないものを作ろうと思って入りました。選抜式というのにも魅力があったし、それを乗り越えてきた人たちだから意識高いだろうなって思って。やっぱり、実際入ってみても周りは意識が高いなって思ったし、自主マスは将来のことを真剣に考えている人が大多数だなっていうのは感じましたね。


・出版業界を目指したきっかけはなんだったんですか?

 私は青森出身だったから、中学生の時はあまりおしゃれするきっかけがなくて。しかも、中学校の時は今より太ってて、メガネで、髪もまっ黒で……全然冴えない感じでした。でも「セブンティーン」や「プチセブン」を読んで、オシャレをし始めるようになって、ちょっとずつ垢抜けていったんです。そしたら友達も増えて、自分に自信が持つことができて。自信が持てると人生が変わるというか、それだけで行動が変わっていったんです。その時に読む人にそういう力を与えられるファッション誌ってすごいなって感じて。自分がファッション誌で変われたから、今度は私が自分に自信が無くてちょっと損をしちゃってる女の子に、自信をあげられるようなファッション誌を作りたいって思ったのがきっかけですね。




・雑誌は華やかな紙面とは対照的に、編集者の仕事は決して派手ではないと思いますが。

 自分は目立たなくてもいいんですよ。編集者っていう響きがいいのか、出版社って結構人気があるんですけど。でも実際、自分がモデルをやるわけじゃないし、自分は目立たないし、影の仕事ばっかりだから。小学館の「お姉さん系CanCam」の副編集長をされてる人に就活時代、話を聞いて「編集者はバスガイドだ」って言われたんですよ。スタイリストやモデル、ライター集めて、ページのコンセプト決めて、みんなに「こっちだよ」って、みんなを集合させてひとつのものを作るんだって。なんか私はそれに向いてるって自分で勝手に思ったんですよね。新しいものが好きで、結構多趣味だからいろんなことに手を出すし、とにかく動いていたいし、それで発信したいっていう気持ちが強い。だから向いてるかもって。


・では、自主マスのお話を聞かせてください。出版コースではどのような授業をされていたんですか?

 最初は作文が多かったです。例えば「私の赤っ恥体験」っていうテーマで1時間で800字とか、授業中にいきなり書けって出されたり。作文は最初のうちは全然書けなかったんだけど、でも何回もやると書けるようになってきて。それから後半になるにつれ、雑誌の企画を出しました。講師の本多さんがその時、「FLASH」の副編集長(現在は「女性自身」副編集長)だったから、「FLASH」の企画を10本立てて来いとか。


・実際に企画を出していたとのことですが、難しかったですか?

 難しいですね。ひらめきだけだったらなんとかなるかもしれないけど。でも本当に良い企画だったら、企画会議に通してもらって本当に「FLASH」に載せてもらえるですよ。うちらの代では出なかったけど、一個上の先輩はそれが採用されて、実際に記事になりましたからね。


・出版コースの雰囲気は?

 その年ごとで違うみたいなんですけど。毎年、男が強い、女が強いっていうのが入れ替わっていて。うちらの年は女の子が強くて、女の園的な感じでした。でも出版コースは全然派手じゃないから、みんなまじめに頑張ってましたよ。アナコースかわいいね!とか、キラキラしてるね!とか言いながら(笑)


・出版コースを振り返って印象に残ってることはありますか?

 合宿ですね。合宿は各コース混合で班分けをして、番組制作をしていくんです。それで、出版コースは番組を紹介する新聞のラテ欄の編集を任されて、もう一人いた出版コースの子とすごく頑張ったんですけど。私的には「力を出し切った。絶対行ける」って思いました。私は自分の力を出し切ったって思うときは挫折したことがなかったんですよ。だけど、その時は他の班に負けてしまって……。それがすごく悔しくて、発表の会場で涙をぼろぼろこぼして。それで合宿の日から、日記をつけるようにしたんです。「超悔しい。いつか、絶対絶対追いついてやる」みたいなことを書いたりして。


・合宿は菊谷さんにとって、大きな転機になったんですね。

 そうかもしれない。悔し涙はすごい久しぶりに流したから。そして、あれ以来、悔し涙は流してないですね。


・出版コース・講師の本多さんについてお聞きしたいのですが、本多さんはどんな方なんですか?

 すごく尊敬できる人です。義理堅いというか、面倒見がすごく良い。本多さんは出版コースに入ったからって、なにがなんでも出版に行かせようとするんじゃなく、絶対自分が納得する、本当にお前がやりたいことはなんだっていうのを本当に一生懸命に考えてくれるんですよ。人間的に熱い人ですね。そういう本多さんだから、代々の学生に慕われていて、先輩方も私たちの面倒見てくれるし。お金にもならない学生の面倒なんて、普通好んで見ないんじゃないかって思うけど。だから本多さんはすごいって思いますね。


・本多さんや先輩をお呼びして、自主的な勉強会も開いていたとのことですが。

 そうですね。1月から週1回、自主マスが終わってからだから、もっと本格的ですね。エントリーシートや面接をやっていました。とにかく面接練習が厳しくて、むしろ本番の方が優しかったくらいでした(笑)「そんなんじゃ入れないよ」とか「なにが言いたいかわかんないよ」とか、ばしばし言われるから、それでへこまない心を身につけたし、すごくためになりました。


・勉強会を経て、小学館から内定をとりました。改めて出版コースの授業を振り返ってどうでしたか?

 すごくためになりましたね。それに勉強になったし、本当に行ってよかったなって思います。


・行ってよかったと思わせるものは?

 小学館に入れたからですかね。出版コースに行ってなかったら、絶対入れなかったと思うし。マスコミに入りたいという人はたくさんいると思うんですけど、大事なのはその気持ちをどんどん具体的に固めていけるかどうかだと思うんです。私も、最初自主マスに入ったときは、広告にしようか出版にしようかくらいだった気持ちを、どんどん固めていってくれるから。自主マスにいることによって、自分と向き合うことができて、なんで出版をやりたいのかっていうのを、3年の始めから考えるきっかけにはなりますね。


・自主マスの授業は大学の授業とは違いましたか?

 違いますね。自主マスは自分のためなんですよ、就職したいわけだから。すごく「使える武器」になるというか。大学では友達からノートを借りてテストを受ければ、単位がもらえることもあって、頑張っても頑張らなくても結果が同じだったりするんだけど。でも自主マスは頑張ったら頑張っただけ、目に見えて力がついていくから、すごくおもしろいと思いました。それが駄目って言う人もいるかもしれないけど、そういう実力主義がいいなって私は思うんですよ。テストも頻繁にあるし、それで自分のダメさ加減がわかったりとか、自分の状態がわかる。常に競争関係にさらされるというところが、やっぱり大学とは違いますね。


・それでは、今後のことについて聞かせてください。今後、菊谷さんはどんな編集者になりたいと考えていますか?

 それはきっかけになったことでもあるけど。読者の女の子たちに元気や自信を与えるっていうことですね。
 本って私のなかで2種類あるんですよ。読んだ後に何も残らないで流れてしまう本と、読んだ後に現実の世界で頑張ろうと思える本の2種類があるんです。私にとっては安野モヨコの漫画とかがそうなんだけど。だから、読んだ後でその人の感情が変わったり、視点が変わったりするような本や雑誌が作りたいですね。元気や自信を与えることで影響を与えられると思うし、そういう風に誰かの人生の一部,ほんのかけらかもしれないけど、一部になるような本を作っていきたいです。


・最後に、出版コース、そして、自主マスに興味のある学生に一言メッセージをお願いします。

 出版に興味があるなら、絶対出版コースに入るべきだと思う。途中で「出版じゃないって思うかもしれない」って不安に思うことはいらないし。少しでも自分を高めたいと思うなら、出版コースに限らず自主マスに入るべきですね。逆に、マスコミっていう言葉に漠然と興味を持っていても、実際マスコミがなにをするのかよくわからないっていう人には、基礎コースからでも受けて欲しいです。
 毎週土曜日、貴重な休みが潰れるって思っちゃうかもしれないけど、街に買い物に行くのも楽しいかもしれないけど、でもそんなことよりも、この先40年分働いて暮らさなきゃいけない、その40年分がかかってるその土台の部分だから。絶対損はさせないから入った方がいいと思いますよ。


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